山和建設への入社後、監理技術者として主に高速道路の工事を担当してきました。これまでに担当してきた工事としては、東北中央自動車道、南陽バイパス、そして現在工事中の小国道路などがあります。
すべての工事に共通する難しさは、発注者が求める「品質」を満たす道路を作り上げる、ということです。ここでの「品質」というのは、単に発注者が定める規格を厳密に守る、というだけに留まりません。例えば、山林を掘削する場合に法面をどれだけ綺麗に整形するか、舗装した道路の平坦性をどこまで追求するか、といった規格に現れない部分にまで及びます。「品質」は当然高い方が良いとはいえ、納期や予算との兼ね合いもあり、上手く全体のバランスを見ながら工事を進めていく必要があります。つまり、工期や収支のバランスを見ながらいかに「品質」を追求するか、それこそが私たちの「腕の見せ所」でもあるのです。
学生時代には土木でなく建築設計の仕事に就きたいと考えていたのですが、勉強していく中で次第に土木の方に魅力を感じるようになり、途中から専攻を土木に変更しました。建築と比べて土木は仕事がより広範囲にわたり、道路やダムなどのスケールの大きなものに携わることができる、という点に魅力を感じたのがその理由です。
卒業後は山形県内の別の建設会社に就職し施工管理の仕事をしてきましたが、2012年、もっとスケールの大きな仕事に挑みたいと考えて山和建設に転職しました。山和建設は山形県内では規模の大きい会社であり、かつ国交省やNEXCOからの受注も多いため、より大きな仕事に関わることができると考え、加えて待遇面の改善も期待しての転職でした。
土木工事は天候に非常に左右されやすい仕事です。晴れていても気温が高い日は作業員の体調管理に気を配り、悪天候の日には雨風や雪による工事への影響を考える必要があります。あるいは、資材搬入の遅れや発注ミスといったトラブルもあるかもしれません。日々状況が変わっていくため、決まったやり方で流れ作業的に進められない点に難しさがありますが、逆にいえばゴールにたどり着くまでの方法はいくつでもあるということです。どのような手順で進めれば、品質を落とすことなく、かつ費用を抑え工期を短縮できるのか。一人ひとりが自分で考え判断して工事を指揮し進めていくということが、施工管理の仕事の一番の面白さでしょう。仕事の進め方は千差万別ですが、施工管理者の腕次第で結果に本当に大きな差が出るのです。
工事現場はそれぞれの予算を持って管理していくため、施工管理の仕事は会社経営にも似ているといえるでしょう。若いうちから経営的な視点を養うことができるのも、この仕事の魅力の一つです。
一方で、工事現場単独で一つの小さな会社のように独立採算的に運営できる反面、それぞれの現場の課題を会社全体に共通する課題として認識し、取り組んでいくこともまた大切です。そういった意味で、担当する工事現場内だけに課題や問題を留めるのではなく、全社的にオープンな報告・連絡・相談を大切にしながら工事を進めていくことを心掛けています。山和建設では現場の状況を透明化する取り組みも進めており、会社全体で課題を解決しようという体制があることもまた、当社の魅力です。
人手不足は建設業界全体が直面している大きな課題ですが、UNICONホールディングスグループ内で技術者を柔軟に配置できるようになれば、それが解決の糸口になると考えています。建設業界で25年以上働いてきた身として、UNICONホールディングスの掲げる新しい建設業のあり方には、大いに期待しています。
UNICONホールディングスが発足してまだ日が浅いものの、私自身、普段の業務の中でもグループのつながりを感じる機会が増えてきました。グループ間での情報共有も増えてきましたし、例えば南総建が得意とするドローンを使ったICT工事など、今までの自分たちだけではできなかったような工事も協力して行えるようになってきたことは、本当に大きな強みだと感じています。また、これまでの山和建設では山形県内の工事が多かったのですが、グループになったことで県外の工事も増えてきており、県外出身の方も働きやすくなっているのも良い変化だと考えています。
声を大にして伝えたいのですが、現時点で建設業界に関心をお持ちでない方にこそ、施工管理の仕事をぜひ一度体験してみてほしいと思っています。本当の意味で自分自身で考え行動できる仕事は、そう多くはないはずでしょう。覚えることはたくさんありますが、「こんなことができるようになった」と成長を実感する機会も多く、また山和建設には努力を必ず認めてもらえる風土があります。ぜひこの仕事の楽しさを実際に感じてみてほしいと願っています。