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UNICONホールディングスの本社は宮城県仙台市に位置しており、山和建設は山形県小国町、小野中村は福島県相馬市、南会西部建設は福島県会津若松市にあります。3社の位置取りが良く、山和建設と小野中村は日本を横断する113号線沿い、南会西部建設と山和建設は121号線沿い、どちらも起点と終点で繋がっています。災害が起きた時など応援に向かう場合でも、南東北を網羅でき、迅速に行動がとれる強みがあります。
3社は三角形の位置関係です。山和建設と他2社は県をまたいで連携ができますし、小野中村と南会西部建設はそれぞれ浜通りと会津若松にあるため、福島県の端と端でつながることができます。
3社を繋ぐというイメージです。点と点があって繋がって、それが一石を投じて広がる波紋のように、自ずと面が広がっていく。周りのゼネコンにも良い影響を与えることができます。
3社はいずれも公共土木工事の元請を軸としている点は共通しておりますが、地域性に加えて、取り組んでいる工事が違います。山和建設はダムなどの砂防工事や、高速道路を作るなどの未開発な地域での工事が多いです。小野中村は河川や海岸工事、南会西部建設は除雪や浚渫工事など険しい場所での工事に強みがあり、互いが互いに無い強みを有しています。
南会西部建設は、ダムの底に貯まった土砂を船の上からクレーンで除去する工事を行っています。エリア内では当社しか工事ができず、その専門性が強みです。
小野中村は太平洋沿いで事業を行っているため、海岸工事や港湾整備など海に関わる工事が多いです。潮の満ち引きに関係するため、夜間工事や早朝など時間帯も様々です。環境を整備する工事は大きなやりがいがあります。
2021年にまずは山和建設と小野中村が経営統合(持株会社の合併)し、協業の準備を進めてきました。グループ間の協業の第1号案件として、相馬市内を流れる小泉川の、台風19号災害からの復旧工事について、山和建設から小野中村へ技術者を転籍させる等、当グループならではの協業体制を実現しました。小泉川以外にも協業は進んでおり、今後更に連携を深めていく予定です。
1社で200億円を売り上げる競合もありますが、我々は3社、つまり3拠点で200億円です。グループ間の連携を更に強化し、互いに力を合わせて、より大型の工事を狙うことで、売上の増加を図りたいと考えています。
我々は小国町、相馬市、会津若松市に本社があり、それぞれ「地場」を大事にしています。大手ゼネコンが各地域に持っているのは「支店」ですが、UNICONホールディングスが各地域に持っているのは「本社」です。地元である本社を拠点に活動しながら、そこからエリアを広げて南東北をカバーしていく連携は強みになると考えています。
昨今の人材不足は業界全体の課題ですが、我々は山和建設、小野中村、南会西部建設という各事業会社での個社採用を前提としつつ、UNICONホールディングスというフラッグシップを窓口に据えることで、グループが体現する「成長性」や「安定性」を、技術者人材マーケットに大々的に訴求していきたいと思っています。あわせて、持株会社を活用して、技術者を、工事の繁閑に応じて3社に流動的に異動させることを考えています。これは国土交通省が提唱してきた新しいスキームを活用する試みであり、おそらく全国で初めて我々が取り組むことになります。3拠点のどこからでも機動的に動ける体制は、周りのゼネコンに対して大きな競争力になると考えています。
技術者不足という業界全体が抱える課題に対し、3社間で技術者を融通しあうことで、各エリアの仕事を効率的に受注することが出来ると考えています。ただし、技術者は誰でも良いかといえばそうではなく、社員の一人ひとりが常にスキルを向上させ、成長していかないといけません。グループとしてさまざまな工事を経験できるUNICONホールディングスは、技術者一人ひとりに具体的な成長の機会を提供できる存在になると思います。
昨今の海外情勢から、海外に出向していた大手ゼネコンの技術者が日本に帰ってきています。事業の入札時にも、海外での実績が考慮されるようになってきており、今後国内では競争が一層激化します。しかしながら、特に公共工事の入札においては、地元企業には「地域密着」というアドバンテージがあります。これは、「地域の守り手」としてインフラのメンテナンスを継続的に図っていく必要のある我々の業界にとっては各々の「地元」で業を営んでいることそれ自体に価値があるためであり、いわば「地域の守り手」が戦略的に結集したグループであるUNICONホールディングスは、そうした競争を生き残っていくことと考えています。また建設業界は一般的には頭打ちとも言われていますが、その中で公共土木の領域は、国土強靭化を背景に今後も投資額の増加が期待される、業界唯一の成長セグメントと考えられます。ただし公共土木は地域によって発注の波が発生する傾向にありますが、我々は地域毎の発注状況に合わせて技術者を配置することで、効率的に案件を受注することが可能です。加えて、これまでは技術者不足により入札を見送らざるを得なかった大規模、高難易度案件に対しても、グループ間で技術者を融通しあうことで受注が可能になります。最近では、グループ間の協業も円滑に進んでおり、この3社の連携により見えてくる世界が変わったことを実感しています。
地場ゼネコンの一番の弱点は、その地域で技術者を採用しづらいことです。専門学校もなく、都市部に人材が流れています。採用した人間を一人前の技術者として一からしっかり育て上げないといけません。ホールディングス体制になったことで、グループ間の技術者交流も可能になり、これまでよりも効率よく指導できることになり、この点はホールディングス体制の大きなメリットと考えております。
グループがより大きな企業集団に成長した時、それは「究極の攻め」にも「究極の守り」にもなります。連携する企業に人材を派遣することは、技術を学べるだけでなく、人材不足も補えるということです。技術者の増強は入札競争力の強化に繋がり、結果的にグループの企業価値も上がっていくと考えています。
合併により一つの会社になるのではなく、UNICONホールディングスは、各地域で活躍する個社はそのままに、互いに手をつなぐ関係です。それぞれの地域に競合がひしめく中で、グループ間の仲間意識は強くなります。それは強みです。
もともと、地元でナンバー1の企業同士が集まったのがUNICONホールディングスであり、強い集団であるという雰囲気が社員にも出てきています。我々経営陣はもちろんのこと、各社の社員も生き生きとしてきていることを日々実感しています。
山和建設はもともと、山形県小国町で昭和42年の羽越豪雨の災害復旧を契機として生まれた会社です。当時ゼネコンに勤めていた私の父が、羽越豪雨の際、地元である小国町に駆け付けボランティアとして災害復旧にあたり、父と同様に各地から集まったボランティアの方たちと共に山和建設を立ち上げました。そうした出自も背景にあり、あらゆる災害復旧に関わってきた歴史があります。当然ながら東日本大震災も経験しており、そうした経験の中で、地元を守れるのは地場ゼネコンしかいないと感じています。地元を守れなければゼネコンではないとさえ考えています。インフラをいち早く整備し、命を守る唯一の職業であり、そこには強い使命感を感じています。
同じく、東日本大震災の経験が背景にあります。暮らしてきた街が甚大な被害に遭い、とにかく動かなければならないという思いのみでこれまで生活してきました。ここを守らないといけないという地元愛もありますが、一方で東日本大震災の際には、多くの仲間が駆け付けてくれましたので、仲間の地元で今後何かあった際は物資を届けたいですし、駆け付けたいです。その思いが東日本大震災を経てより強くなりました。それが地域の守り手である地方ゼネコンの根幹だと信じています。地域の守り手としての使命を発展させて、活かして、形にしていくのが、UNICONホールディングスの責務です。
UNICONホールディングスとしては、それぞれの地元だけに囚われず、現時点の活動エリアである南東北全体のことも考えたいです。グループとしてどう生きていくかについて、社員に常々伝えていますので、今後連携を深めていけば、社員にもそういう思いが自然と芽生えてくると考えています。
建設業の従事者は、25年前から比べると30%減少しており、年齢分布も逆ピラミッド型です。今後は人材の採用活動に加えて、既存の技術者リソースを最大限活用できるようにグループ間で技術者を融通する等、互いにフォローしていく予定です。また、当グループの体制であれば、グループ間でICTや教育、安全管理やシステムなどのノウハウを共有することで、より安定した会社を作ることができます。つまり、それぞれが独立して事業運営を行うのではなく、皆で一緒にひとつのつながりを作っていくことで、グループとして更なる高みを目指すことができます。これこそが他のゼネコンにはない我々のオリジナリティであり、我々のような地方ゼネコンが、高い組織力や技術力を持つ大手ゼネコンに対抗できる唯一の道だと信じています。
建設業は「地元を守らなければならない」という思いが強いです。同時に会社そのものも激しい競争から守らなければなりません。ただし地元を守っているだけでは会社は存続できず、地元の外に進出していかなければならないジレンマがあります。両方を総合的に叶えることできるのがこのUNICONホールディングスです。地元を拠点にしながらも、必要に応じて地元の外へ一緒に出ていける強みがあります。我々のビジョンに賛同してくれる企業があれば、是非とも一緒にやっていきたいという思いです。
UNICONホールディングスに加わるのは、勇気のいることだと思います。当グループのように、公共土木工事を主に請け負っている会社は数多くあり、その多くが伝統を守って事業を継承し、地元を守ってきた会社が多いものの、制限も多い公共性の強い事業であり、課題・悩みも尽きません。しかし解決するなら私たちのこのやり方が理想だと考えています。同じような課題・悩みを抱えている企業とはぜひ一緒にやっていきたいです。
生き残りをかけた淘汰の時代に、自社の個性を残しながら、企業として技術力、経営力を強くしようとする気持ちがある方と一緒にやっていきたいです。事業規模の大小の問題ではないと考えています。また、ありがたいことに我々の取組みを知り、当グループの一員になりたいというご相談をいただく機会が増えております。新しい仲間をグループにお迎えし、シナジーを発揮することは容易ではなく、相応の時間もかかりますが、当グループがここから更に飛躍していくためにも、毎年コンスタントに今後も新たな仲間を増やしていきたいと考えています。
建設業界は「きつい、汚い、危険」の3Kと思われがちで、特に若者が感じているイメージを変えていきたいです。今までの建設業から一歩踏み出したいと思います。たとえば、建設業法では一つの現場に、技術者を一人は常駐させなければいけませんが、それは現代の技術革新で変えることも可能だと考えています。国や県には制度の変更も検討していただきたいという思いがありますし、制度が変われば我々は一番に手を挙げるつもりでいます。
今後の建設業界における現場の施工・営業の仕方などは働き方改革やDXによって自ずと変わっていきます。新しいものを受け入れて、古くて良いものは残していく、そういった考え方がこれからの建設業界には必要です。建設業界のあり方における変化は日々肌で感じていて、例えば建設業界内のDX化が進めば、IT業界にいる方も面白がって入ってきてくれるかもしれません。もしくは自然を相手に、ゲームを操作する感覚でインフラ整備ができれば、若い人にもなじみやすくなるかもしれません。そういった意味で今後の建設業界の変化は面白くなるのではと考えています。
仕事に対して誠実に、まじめに、怠けない。そしてズルをしないように、と社員には常々話しています。できる、できないではなく、まずはその意識を持つことです。また、きちんと手順を踏んで、ルールに則って働ける社員を求めています。もちろん技術力があるにこしたことはありませんが、技術力は入社してからでも高めることができます。資格がなくても、畑違いでも、まずはそのマインドセットが大事だと思います。
新しく作り上げたいのは、団結力や思いやり、そして個人が責任を持つ会社という意識がある社風です。それを朝礼や会議の度に話しています。社長である自分自身が言い続けることで社風ができる部分もあると思いますので、その意識を大切にし、社員を育てていきたいです。
誠実かつ貪欲であってほしく、また、何にでも興味を持ってほしいです。仕事にも、一緒に働いている人に対しても、です。自分一人で仕事をしているわけではないですし、仲間がどんな仕事をしているかにも興味を持ってもらい、自分だけではなく仲間も大変な思いをしていること、楽しそうにしていることを知ってほしいです。個性、考え方、スキルのレベルに違いはありますが、異なる仲間が一緒にやっていける会社が理想です。そのためには互いに理解し、協調し、調和を保つことを大切にしたいです。
我々は地元を守ってきた地場ゼネコン同士が、地域を超えて経営統合した存在であることから、「地域連合型ゼネコン」と呼称されることもあります。地元に密着し、地元を愛する気持ちは大事です。それは外から来た人がダメということではなく、気持ちの問題です。
福島県の中で、完全週休二日制を最初に導入するなど、働く環境の整備は他社に先んじた取り組みを行ってきました。プライベートを充実できるか。家族ができて子どものために育休がしっかり取得できるか。そういった面でも、地元に貢献しながら、待遇にも不安がない会社にしていきたいです。大手に負けないようなことを業界に先駆けて取り組んでいますので、安心して入社して、働くことができる環境をこれからも考えていきたいです。
株式会社UNICONホールディングス
代表取締役 小山剛
1996年に山形建設に入社。2003年に山和建設に入社。専務取締役などを経て2020年に代表取締役社長に就任。2021年4月に山和建設・小野中村ホールディングス(現UNICONホールディングス)代表取締役社長に就任。1973年生まれ。小国町出身。
株式会社小野中村
代表取締役 小野貞人
1992年に山木工業に入社。1997年に小野建設(現小野中村)に入社。取締役などを経て2007年に代表取締役社長に就任。2021年4月に山和建設・小野中村ホールディングス(現UNICONホールディングス)取締役に就任。2024年7月に小野中村の代表取締役会長に就任。1968年生まれ。相馬市出身。
株式会社小野中村
代表取締役 植村賢二
1993年に日本電炉に入社。1995年に中村土木(現小野中村)に入社。常務取締役などを経て2005年に代表取締役社長に就任。2021年12月に南会西部建設コーポレーションの代表取締役社長に就任。2022年7月にUNICONホールディングス取締役に就任。2024年7月に小野中村の代表取締役社長に就任。1975年生まれ。相馬市出身。
View More> Vol.2(2025.03.01)